大阪ヒートアイランド対策技術コンソーシアム

ヒートアイランド現象とは、大都市圏における都市化の進展に伴う、建築物やコンクリート、アスファルト舗装等による地表面被覆の人工化や、自動車の走行、事務所等の空調、工場の生産活動等の都市活動に伴い発生する人工排熱の増加等により、地表面の熱収支が変化し、都市の中心部の気温が郊外に比べて島状に高くなる現象をいう。

下図に、ヒートアイランド現象に関わる諸要素についてイメージを示した。緑地や水面等の自然空調が喪失した地域では、植物や水面、地表からの水分の蒸発散が減少し、気化熱による地表面の冷却が進まなくなる。また、地表面被覆の変化により、熱容量の大きいアスファルトやコンクリートなどに太陽熱が蓄えられ、夜間にその蓄えられた熱が放出されるとともに、ビル等の人工構造物が風の流れを妨げ、風による冷却作用を阻害する。さらに、これに前述のような人工排熱が加わる。これらの要因により、ヒートアイランド現象が出現する。このため、ヒートアイランド現象は都市環境についての「熱汚染」とも言われる。



備考)
顕熱:日射などにより、地面や建物などに熱が加えられ温度が上昇することにより、周囲の大気中に放出される熱や空冷式の空調機器の室外機等から排出される熱のことを顕熱という。
潜熱:地面などに含まれていた水分等が大気中に蒸発するとき、水分は蒸発に必要な熱を地面などから奪い大気に移動する。この熱のことを潜熱という。また、植物の蒸発散作用や水冷式の空調機器の室外機等から排出される水分中の熱や温排水中の熱も潜熱である。

                                (出典:大阪府ヒートアイランド対策推進計画より)


■20年前との比較
昼間の15時には、内陸部の豊中市、枚方市から寝屋川市にかけての市街地において気温が高くなっているのに対して、大阪湾に面する大阪市、堺市から泉州地域の沿岸域においては、海風により低温空気が流入することから、平均2.2℃ほど気温は低くなっている。一方、夜間の3時においては、大阪市から堺市にかけて、気温が高くなっているのに対し、内陸部では放射冷却により気温は低下している。また、昼間、夜間ともに、大阪府域における8月の気温は、20年前と比べて上昇している。

 
20年前 (1979〜1981年)
現在 (1999〜2001年)
15
     
3
     
 備考)
1.アメダス観測値及び大気汚染常時監視局の気温データを用いて作成した。
2.8月の典型的な晴天日(※)を抽出し、その平均値から分布図を作成した。
3.分布図内の数値は、各地点で観測された3年間の平均値を示す。
 (※)1日の日照時間が8時間以上、降水量が0mmの日で昼間15時に西よりの風、
 夜間3時に東よりの風を観測した日。

                           (出典:大阪府ヒートアイランド対策推進計画より)



■熱環境(熱負荷特性)マップ
熱環境(熱負荷特性)マップは、航空機から測定した地表面温度や、人工排熱、土地被覆、気象条件等各種データを用いて解析を行い、1km2毎に熱負荷の程度の状況を類型化して示したものであり、地域における熱負荷の特性と、大きさの程度を知ることができます。

                                      (出典:大阪府)